構 造 材 に つ い て
江原工務店で使用する構造材は、すべての仕様で自然素材を採用しております。構造の要になる柱に関してはヒノキを使用、梁に関しては米松を使用しております。なぜ、構造材に自然素材を使うのか?それは耐久性や保存性を一番に考えていることに加え、壁内の調湿効果を考えているからです。
耐久性・保存性
世界最古の木造建築として有名な法隆寺、築1300年を超える今でも健在する秘密はどこにあるのでしょうか。その一つに、構造材にヒノキを使用している事が大きく影響していると言われています。
第二次世界大戦などによって大修理が行われた際、柱などの構造材もかなり傷んでいると予想した宮大工が、ほとんど新しいものに交換するつもりでいたところ、古びた柱を解体してカンナをかけると、その材料は生のヒノキの香りが漂うほど良い状態だったと言われています。実際に材木を取替えたのは、軒などの雨風に直接さらされる部分だけで、ヒノキを使用した構造材はそのまま再使用できたと言われています。
その出来事によってヒノキの古材を調べると、ヒノキは木材の中で耐久性や保存性が最高レベルであり、伐採してから200年間は強くなり、その後1000年をかけて徐々に弱くなるということがわかりました。
言い換えれば、木造建築の耐久性、保存性に大きく関わる柱にはヒノキは最適だと言えます。
私たちが柱にヒノキを採用しているのはこのような理由があるからです。
曲げ強度
柱にヒノキを使用する一方で、梁や筋交の構造材には米松を使用しております。なぜ米松を使用するのでしょうか。
木材技術センターのデータからも言えますが、米松の曲げ強度、圧縮強度、曲げ弾性率に関しては、乾燥状態にもよりますが最高級のヒノキよりも、米松の方が数値的に高い事が挙げられます。
梁は建物の粘り強さに影響する部分で、弾力性やせん断力、曲げにも強い米松が際も適しています。地震や台風などの多方向からの力に耐えられる材質として、当社では米松を選択することにしております。
建物の耐久性に関わる柱部にはヒノキ、建物の粘り強さに関わる梁部や筋交には米松、このコンビが最も木造住宅には適していると言えると思います。
最近では、集成材という人口材を使うことが多いですが、集成材は完成時点での強度は無垢材よりも強いです。しかし、ボンドを使用して加工した材料は、長い間にボンドの劣化から剥離する恐れがあります。
更にヒノキの場合、建ててから乾燥するにつれ強度を増し、集成材をこえる強度に達します。
集成材は完成時点が一番強く、時が経つにつれて強度が落ちてゆきます。
耐久性を考えると、ヒノキが際も木造住宅には適していると思います。
しかし、自然素材にはデメリットもございます。それは材料の狂いというものです。自然素材は乾燥と収縮を繰り返し、呼吸によって空気をきれいにする作用や調湿効果がありますが、そのことによって材料に割れや反りが発生する場合があります。構造上問題はありませんが、見た目に美観を損ねることがあることは否定できません。
わかりやすく例えると、無農薬の野菜が虫などに食べられて見た目が悪くなるのと同じような感覚かもしれません。
ただそれ以上に、人に与えてくれる恵みのメリットは大きいと思います。
耐震性
建物の耐震性については、建築基準法によって耐震等級が定められ、地震に対する建物の強さを1~3の等級で評価しています。
まず耐震等級1は、「震度6~7程度の地震に対して倒壊や崩懐しないレベル」になります。そして耐震等級2は、「耐震等級1の1.25倍の強度」、そして耐震等級3は、「耐震等級1の1.5倍の強度」ということになります。
通常、耐震等級1をクリアしていれば法律上は問題ありませんが、最低限クリアしなければいけないレベルの強さなので、実際は倒壊の恐れはあると思います。
安心して住み続けられるのは、耐震等級2~3だと思います。当社では、標準仕様で耐震等級3を標準装備にしております。
関東地方では大地震がいつ起こってもおかしくない地域になっていますので、耐震性については耐震等級3を標準装備することは必須だと思います。
耐震+制震住宅
当社では、耐震性についてさらにレベルアップしたいという方のために、オプション工事にて制震住宅をご用意しております。
通常の制震住宅は構造材に制震ダンパーという金物を取り付ける技術ですが、部分的な構造の補強になる事と、コストの面でも採用が困難なものが多いのも事実です。
そこで、当社が採用している制震技術は、制震テープという工法です。
制震テープは、低コストに加え、家全体を制震テープによってダンパー化することが可能になります。そのことによって通常の制震工法よりも優れた制震効果を発揮します。
地震を際も気にしている方には、かなりお勧めの工法になります。
ご興味のある方は下記をご覧ください。